おじさんは予防線にはなりません
じんじんと熱を持つ頬を押さえ声のした方を見ると、珍しく池松さんが酷く怒っていた。

「なにをやっているのかと聞いているんだ!」

「それは、その……」

滅多に怒らない池松さんが怒っているからか、森迫さんはしどろもどろになっている。
池松さんはつかつかと勢いよく歩いてきて、私の前に立って森迫さんを睨みつけた。

「あー、いいですか」

緊迫した空気の中、妙に間延びした声がする。
へらへらと現れた宗正さんは池松さんの隣に、私の前に壁を作るように立った。

「オレ、森迫さんのものになったつもり、ないんですよね。
というか迷惑してるんですよね、お、ば、さ、ん」

「な……っ!」

男性ふたりに阻まれて、森迫さんの顔は見えない。
でもきっと、激怒しているんだろうなっていうのは想像できる。

「でも、私はっ!」
< 78 / 310 >

この作品をシェア

pagetop