正義が悪に負ける時
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「す、すみません!
梶山キコの病室はどこになりますか!?」
仕事を早退し、受付で祖母の病室を聞くと早歩きでそこに向かった。
携帯に掛かってきた電話。
買い物をしていたスーパーで突然胸を押さえながら苦しんだ祖母は、
そのままムコウジマ総合病院へ緊急搬送されたとの連絡だった。
「お婆ちゃん!!」
病室のベッドで横になっていた祖母は、
僕の姿を見ると笑顔を見せてくれた。
幸いにも一命は取り留めたようだったけど、
70歳をとうに越えた祖母との別れが近い事をその時に悟った。