正義が悪に負ける時
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「ご苦労様です。」
規制線を上げてくれた捜査員に挨拶すると、
“現場”となったビジネスホテル、“ホテル ラード”の405号室へと入った。
「あれ小西?1人か?」
既に中に入って鑑識作業を続けていた、ベテランの長野さんが俺を見てその手を止める。
「長さんおはようございます。
早苗さんはホテルの従業員に聞き込みしてて・・・・・。」
「・・・またトイレか?」
「ええ。
今日も元気にピーピーだそうです。」
“やれやれ”と漏らしながら、
長野さんは作業を再開する。
「さてと・・。」
既に視界には入っていたが、鮮血と共に横たわる2つの死体の前に来て合掌をした。
年老いた男性と・・男性よりはかなり歳下に思える・・綺麗な女性・・・。
男女2人の死体、
刺し傷や外傷はパッと見無い。
部屋には争った後も無い。
だけど2人とも口から血を流している・・・・。
「毒か・・・・?」
そう判断したと同時に周りを見渡す。
既に長野さん達がマークを付けていた物がほとんどだったけど、
一番最初に目についたのは500㎖のペットボトル。
床に飛び散ったようで中身のほとんどは残っていない。