秘密の味




「ふーん。」

そんな声なのか言葉なのかどっちとも取れる音を発したこいつは、わたしと正面で向かい合うようにして体をずらしてくる。


ちょうど90°ほど回転した状態になったわたしたち。



「ねえ、いいの?」


さっきと同じように聞いてくる目の前の男。


さっきはこいつの背中に扉があったから隠れていた状態だったけれど、今はガラス側にお互いの腕がある状態だ。



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