愛されプリンス½
「どうなの?」
「あー樹くんね、すっごいマジメそうだけど意外と体育が一番好きなんだって。私てっきり数学とかが好きなのかと…」
「じゃなくて」
ふー、とみのりがため息をつく。
「樹くんは彼氏になりそうかって話」
「かっ…彼氏!?」
「何をそんな驚いてんの?彼氏作りに合コン行ったんでしょ?」
ま、まぁそうなんだけど。
はじめて合コンに行って思ったのは、合コンに行ったからといって、そこに“彼氏”がいるわけではないってこと。
なんとなく、合コンに行けばなんとなくいい人がいて、なんとなくいい感じになっていくのかと…思ったけど。
やっぱり、彼氏を作るとかどうとかの前に、好きな人を作るっていうのが、大前提だっていうのに気付いた。
うん。そんな今更のことに、今更気付いた。
「…まぁ…彼氏の前にまずは好きな人、かなぁ」
「樹くんは好きになりそうにもないの?」
「そ、それはまだ知り合ったばっかすぎて分かんないっていうか…それよりどうなの?みのりはっ」
みのりだって、彼氏作ろうって気合いれて合コンにのぞんだはずだ。