愛されプリンス½




「あー、私はね…」



ふぅ、となぜかアンニュイな表情で遠くを見つめるみのり。



「プリンスに夢中すぎて他の男なんてまっっったく視界に入ってこなかったわ…」


「…あー…そっか…」



どんまい、明らかにみのり狙いで一生懸命話かけてた旭陽くん。




プリンス、といえば。


あいつ大丈夫なのかなぁ。





合コン以来、天王子には会っていない。


普段は週に2、3回はご飯を食べに来たりするんだけど、モデルの仕事が忙しくなると一週間全く来ないってこともあるから、今回もそうなのかもしれないけど。



学校では女子に囲まれて完璧笑顔の奴をチラホラ見かけるから、まぁ元気ではいるんだろうけど。




『うっ…』




あの日、トイレで吐いていた天王子は本当に辛そうだった。




あいつが女アレルギーってことは分かってたけど、



いつも女子に囲まれてるし、私にも平気でベタベタ触ってくるからあまり実感がなかったのかも。




蕁麻疹は見る限りは出ていないようだったけど、華ちゃんに一瞬、抱き着かれただけであんな風になっちゃうなんて。




…天王子の女アレルギーは、私が思っているより深刻なのかもしれない。






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