愛されプリンス½
「っちょ、と待って…」
「…なに」
「な、何するの」
「キスだけど」
「さっきもした、じゃん…っ」
「…別にいいだろ」
「…なんでキスするの…?」
もう脅しのキスは必要ない。
キスで共有する秘密もない。
じゃぁ、キスする意味なんて
「好きだから」
言い切った天王子が両手で私の顔を包んだ。
「…悪いかよ」
…こんなに偉そうに、自信満々に告白する奴なんているんだろうか。やっぱりムカつく。自意識過剰。だけど。
「…わたしも、好きっ…バカ」
嬉しくて嬉しくて、心臓が潰れそうだった。不覚。