愛されプリンス½



「一花早くこっち!見失っちゃう!」


「ていうか何で私まで…」



昼休み。私とみのりはプリンスを尾行していた。


常に女子に囲まれているプリンスはなかなか一人にならない。そして常に笑顔。


絶え間なく話しかけてくる女子は正直ウザいんじゃないかと思うけど、そんな素振りは一切見せずに一人一人丁寧に受け答えしている。


そしてずーーーーっと笑顔。死ぬほど笑顔。



…何でこんなに笑顔でいられるんだろ?この人。

とかいったらまたみのりに「しっ!」なんて人差し指立てられるんだろうな…。



「…ていうかこんなんで本当にお弁当渡せるの?全然人いなくなる気配ないんだけど…」



その時だった。



「おっ!!天王子じゃないかァーッ!!」



大声と共に不意に現れた大場(おおば)先生(体育担当)。


通称ザビエル。ん?名前の由来?


…特徴的なヘアスタイルに決まっているだろうが。



「今日も相変わらずイケメンだなァ~ん??よく見ると俺の若い頃に結構似てるな??なんちゃってー!!」


ガッハッハと大声で笑いながらザビエルがプリンスの肩を力強く叩く。

結構痛そうなのに、プリンスは相変わらず品のいい笑顔を浮かべたままだ。


…この人痛みとか感じないのか?もしかして。




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