愛されプリンス½
「お、おはよぉ…一花」
そしてその翌日。その日のみのりは、明らかに朝から様子がおかしかった。
「ど、どしたのみのり。なんか顔色悪いよ?」
「うん、実は…今日お弁当作ってきたんだよね」
「? そんなのいつもじゃん」
そう、料理が得意なみのりは、毎朝自分でお弁当を作って持ってきている。
しかもそれが見た目も味も最高で、私はちょくちょく卵焼きやらきんぴらごぼうやら、おかずをお裾分けしてもらっているのだが。
「自分にじゃなくて、プリンスに」
コソッと小声で言ったみのりの頬はほんのり赤く染まっていた。
プリッ…
「うそっ!プリンスにお弁と…」
「バカッ!声がデカいっ!!」
バコッと思い切りみのりに肩を叩かれた。痛い。
「ご、ごめんごめん。ビックリしてつい。それにしても急にどうしたの?」
「いや、昨日は一花に、プリンスは観賞用だ~とか言ったけどさ。
やっぱりこのまま、プリンスに一度も自分の存在を認識されないまま卒業しちゃうのも勿体ないかな~と思って。せっかく同じ学校なワケだし?」
…なるほど…。
「でもそんなことして大丈夫なの?もしファンクラブに見つかったりでもしたら」
「大丈夫だいじょーぶ!絶対見つからないようにするからさ☆」
パチッとウインクを決めたみのりは、なんだかすごく生き生きとしていて可愛かった。