初恋は水中の彼
譲は大会で見事優勝し国体選手に選ばれた
杏奈と結ばれてから次々と大会で優勝していき全日本の練習まで参加できるようになる
三年生になっても国体に出場し全日本の大会でも優勝した
四年生の春
「なんか、柴田くん忙しいみたいだね、会えてる?」
「会えてないけど今日帰ってくるから会えるかな」
「サイン頼んでおいてよ」
「(笑)わかった」
昨日、譲からの電話でお母さんに話があるっていってたな
なんだろう
譲は杏奈の家を訪ねた
「これ、おみやげです」
「ありがとう、話っていうのはだいたい予想はつくけどまあ聞きましょうか」
「はい、大学を卒業したらここのスクールの所属として大会に出たいんです」
「そんなことだろうと思ったけど、有名なとこからお誘いがきてるんでしょ?」
「確かにきてます、でも地元にいたくて杏奈とも離れたくないし、出来る限り泳ぎは続けて……引退したらここに就職させて下さい、そして杏奈をお嫁に下さい」
「譲、そんなこと考えてたの?」
「みんなはこれから就職活動に入るしな、俺も将来のこと考えないと……杏奈は一人っ子だし跡継ぎもいるでしょ(笑)、ジムのほうも勉強します」
「譲……」
「杏奈もここのコーチになるんだろ?」
「うん、あたしはもう楽しく泳ぎたいから、子供を教えたい」
「うちはお父さんはサラリーマンだったし養子に入ってもらったけど、二人分も新卒雇えるかしら(笑)」
「頑張って名前を広めて生徒を増やします(笑)」
「そうして貰わないと困るわ、いいわよ、頑張りなさい」
「ありがとうございます」
スクールの外
「ごめんな、急に、指輪も用意できなくて」
「大丈夫、泳ぐのにつけれないからそんなに焦んないで」
「うんまた夏前にはシーズン突入だから一ヶ月くらいはこっちにいるけど部活引退したら少しゆっくりできると思うから、我慢してくれよな」
「はい」
キスして分かれる
「律ちゃーん聞いてー」
「えー、婚約した?」
「うん、お母さんの前で跡継ぐのでお嫁にくださいって、えへっ、大学卒業したらうちのスクールの所属で大会に出るって」
「それはお母さんは嬉しいわねー、跡継ぎがオリンピックの選手にでも選ばれたら安泰よねー」
譲は色々な有名企業を断り稲山スイミングスクールの所属となる
水泳界ではちょっとしたニュースだった
彼女をとったなど嫌なことも書かれたがそれは実力の世界、成績を残していく譲には何ともないことだった
二人は卒業式を迎える
「杏奈~」
「律ちゃん、袴だ、かわいいー」
「杏奈は着物にしなかったの?」
「うん、食べれないでしょ(笑)」
「式では食べないでしょ」
「うん、でも夜の水泳部のお別れ会まで譲の家にいるから自分の家に帰らないんだよ、だから……」
「そうなんだ、で食べれるように?」
「うん」
夜、水泳部の謝恩会
「えー、みんな、卒業おめでとう、また集まろうな、乾杯~」
「乾杯~」
水泳部四年生が集まった
「みんな、社会のストレス発散には稲山スイミングスクールの会員になって泳ぎにきてくれよな(笑)」