キミに夢中な俺‼
「あんた、この間もいたね。
 若いのに感心だけど、
 仕事ばかりしてたら
 浮気されないかいカレシ
いるんだろ?。」

「ハイいますよ。
エーまずいですよ。
 やな事いわないでくださーい。」
清代乃は、60過ぎのおばちゃんに
ニコニコしながら言い返した。

「へぇー、あんたに彼氏
 いたんだね!!
 ビックリ!! だ。

 だけど色白だし
 まあ可愛いっちぁ可愛いね。」

この品定めのオバちゃんは、なかなか
面白く、思ったことはズバズバ!

今日はこのオバちゃんと
水色の三角巾、マスク、手袋
黄色いポロシャツ、黄色いエプロン

株式会社TOURNESOI (トーネソル。)
の清掃。
大きなビルだった。
ひまわりのオブジェが、どこらそこら
に飾ってある。

向日葵の銅像?もある。


ハァフキフキも細かく疲れる。
向こうからパリッとした背広の
30代の集団がやって来た。
回りに秘書らしき人物多勢!


先頭を歩く背のたっかーい人物を
見て、グワッ﹏‼

思わず向日葵の象の後ろに
隠れた。

悪い事してるわけじゃないが…
なんか何時もの悠人じゃなく厳しい
顔をしている。

スルメ食っちゃべってビール
ごくごくのダラ~ンとした、
ジャージの悠人では

 無い!
 別人!違う悠人と違う。

こんなソックリな人いるっけ?
いやいや、世の中3人はソックリな人
いるらしいし…。
バーちゃんの言う事まちがいない。

  うん。“ソックリ“さんだ!!


「悠人さ~ん。」
      
思わず「悠人さん?」ってたか?
と吊られて呟く。

後ろから駆け寄るその人は
髪サラサラのワンレンヘァー
美人のお姉さん。

顔いっぱい塗って赤い唇
       ツヤツヤしてる~。
耳にはシルバーのピアスがチラチラ

悠人が
「どうした、愛菜」

「よかった。追いついて、
会議の資料わすれてましたよ
 もう~。
 私が見ていないと専務って
 手ぶらでしょ。」


「俺が要らないって言ったんだ。
 脳みそにインプットしてある。」

 あなた達、少しは専務の事
 気にしてくださらない?」

回りの秘書らしい男の人達も
頭をさげていた。


    「ウワッ!出た!!
     出来る女。!‥。」

最後にトドメを喰らったのは


「専務。ちょっとコッチ。」
と言いながらネクタイをキュッと
締め直して悠人の胸を
ピンクの爪した手が
ポンポンとたたいた。

思わずオレンジのビニール手袋を
した自分の手を見た

  オバちゃんが
「ヘエ~社内妻かい。」

   「社内妻?」
そんな単語がある事を知らなかった。





えっとココ何屋さんだっけ?
お菓子メーカーって
言ってなかったっけ?
専務ってたか?
専務って、専務の事だよね。


  へえ~専務だったんかぁ。





 


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