学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
真っ直ぐで、真剣な瞳。
タジタジになりながらも、私は首を横に振った。
「えっと…全然、大丈夫だよ。 和真が上手く誤魔化してくれたから、朝以降は面倒なことになってないし。 ……マルの方は平気? 女の子たちに…何か聞かれたりした?」
「大丈夫。 俺もトラも、何も聞かれてないよ」
「……そっか、よかった」
あの子たち、マルとトラくんには何も問い質していないらしい。
私と和真の話を信じたから…ってだけじゃなくて、きっと盗撮の件があったから何も聞かなかったんだと思う。
二人のことが大好きだからこそ……まかり間違って盗撮の話が本人たちにバレたら困るもんね。
和真は 盗撮の件は黙っとくって言ってたし、私もそれは言わないでおこう。
言っちゃったら、それはそれで面倒なことになりそうだから。
「ごめんな。 俺…同じ学校の奴が一緒の電車に乗ってたなんて、全然気づいてなくて……」
「ううん。 私だって全然気づいてなかったから」
「……本当にごめん……」
なんだか…相当ヘコんでるみたい。
相変わらず申し訳なさそうな顔だし、力なく ため息もついている。
そんなマルを真っ直ぐに見つめて、私は笑顔を見せた。