学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「マル、私は大丈夫だよ。 だから元気出して?」
「……ん……」
「他の教室には もう誰も居ないんだよね? じゃあさ……写真のこと話そうよ。 さっきSNSに写真載せてたでしょ? また、フォルダを見せてもらってもいい?」
「……うん、もちろんだよ」
いつもと同じように声をかける私に、マルはホッとした顔で微笑んだ。
マルの携帯を借りて、画像フォルダに入っている写真を1枚ずつゆっくり眺める。
そこには たくさんの写真があって……SNSにアップされていない景色も多数あった。
校舎3階の廊下の窓…かな? そこから校庭を撮ってる写真がある。
逆に、校庭から校舎を撮ってる写真も。
通学路から学校を写してるものもあった。
どれもとても綺麗で素敵だけど、これをSNSにアップしたら さすがに学校バレしちゃうと思う。
だからこそマルは フォルダに残すだけでアップはしていないんだ。
残念だけど、こればっかりは仕方ない。
でも、やっぱり……、
「……やっぱり、好きだなぁ」
……マルの写真が好き。
そして、隣に居るマル自身のことが好き。
心の底から そう思う。