学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


ポンポン、と優しく頭を叩かれる。

私を見るマルは、とても穏やかな笑みを浮かべていた。



「画面上では女っぽい名前に映っても、俺は俺だから大丈夫だよ」

「……うん。 ありがとう、マル」



マルの登録名は、【まどかちゃん】にすることにした。

これなら誰かに見られても「別の学校の女友達」と言えるし、余計な詮索をされることもない…と思う。

マル =【まどかちゃん】は、最初は慣れなさそうだけどね……。



「美麗。 俺はお前のこと【レイ】で登録しとくよ。 カタカナで、【レイ】」

「え? レイ?」

「うん。 もしも誰かに見られたら…って考えると、やっぱり【美麗】は避けた方がいいだろ? だから、みれいの“れい”を取って、【レイ】。 どう?」



レイ。

男の子でも女の子でも使えそうな中性的な名前だ。

どっちかと言えば、女の子の名前で使われることの方が多いかな?

でも「男だよ」と説明すれば、すんなりと受け入れてもらえる名前だ。

……うん、いいかも。



「なんか…【レイ】って結構好きかも。 是非、それで登録お願いしますっ」

「オッケー、じゃあ【レイ】で登録するな」

「うんっ」



言葉を交わしながら二人で笑い合う。

……楽しいなぁ。

こんな風にマルと色々なことが話せるなんて…本当に幸せだ。

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