学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「どこで撮ったの?」とか「写ってるのって美麗ちゃん?」とか「もっと見たい」とか、そういうコメントが多い。
対する唐草 美麗は……個別に返事はせずに 新たな写真と共に言葉を発した。
【場所は秘密。 写ってるのはたまたま見かけたカップルです。 SNSに写真をアップする許可は得ています。】……とのことだ。
許可は得ている…って、事後報告だったけどね……。
「……まったくもう。 初めから私たちが写ってない写真をアップすればよかったのに」
新しくアップされたのは、まだ太陽が沈む前の砂浜と海の写真だった。
場所を特定出来るようなものは写っておらず、私やマルも写っていない。
なんの変哲もない海の写真なのに、その投稿もまた凄まじい勢いで「いいね」がつき始めた。
本当にもう…我が弟ながら恐ろしいよ……。
「美麗さん」
ふと、ドアの方から私を呼ぶ声がした。
顔を上げて そっちを見ると、ひらひらと手を振るトラくんと目が合った。