学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「……ねぇトラくん、マルって…何時頃 学校に来るかな? 二人ともいつも早めに来てるんだよね? もうすぐ来る?」
「もう来てるよ」
「えっ…そうなのっ?」
「うん。 学校に来てすぐ、飲み物を買いに購買に行ったよ。 もしそこに居なかったら…どこか人の来ない場所に行ってるんじゃないかな」
私から視線を外し、廊下の窓の外を眺める。
「今日も天気がいいから、予鈴が鳴るまで写真を撮ってると思う」
「……そっか。 あの、私っ…ちょっと行ってみるねっ。 少しだけ…マルと話したいしっ……」
「うん。 多分 校舎裏だよ。 あの場所、気に入ってるみたいだから」
「ありがとうっ、行ってみるねっ」
トラくんへの挨拶もそこそこに、私は携帯を握りしめながら廊下を駆け出した。
まだ生徒はほとんど来ていない。
と言っても、購買には少しだけ人が居たけど……そこにマルの姿はなかった。
だから私はすぐに、購買を離れて歩き始めた。
私とマルが初めて会話した場所……そこへ一直線に。