王女にツバメ
「ということは、裏葉さんお金渡してたり……?」
「渡す前に帰ってることもある」
渡せなかった時は、もう来ないかなと思うのだが。
また顔を出す。
若い男で遊ぶつもりが、遊ばれているのはこっちだった、なんて。とんだお笑い話だ。
「へえ。ツバメして生計立ててるんですか?」
「いちおうIT勤務って言ってたけど、本当かどうか。馬鹿だって思うでしょ、お金渡してるなんて」
きょとんと顔を見上げ、犬飼は少し首を傾げた。それから視線を携帯へやる。
「いやー私も好きな良いゲームには課金するんで、気持ちは分からなくもないです」