王女にツバメ
「捕まえたってこと」
にこ、と笑った。するすると手が滑り、項を撫でられる。ぞくりと背中が震えた。
「それで、裏葉さんは俺のこと好き?」
「え……あの……」
しどろもどろになる。あたしが視線を彷徨わせると、琉生が続けた。
「6歳差は一生埋まらないけど、裏葉さんの寂しさは一生埋める。家事もやる。俺、ちゃんと内定貰ってるから一応安定してるよ」
「……そんなにしてくれなくても。さっきの話、これから4年で琉生が違うひと好きになってどっか行っちゃう可能性だってあるじゃない」
「それ以上に、裏葉さんが知らないうちにお見合いとかして知らない男と結婚する可能性の方が高い」