私だけの甘い狼
近ずいて声をかけようした瞬間。



目の前で倒れた。



「おい!!おい!!聞こえるか?母さん!来てくれ」



呼ぶと直ぐに駆けつけちょうど来た父さんの車に乗せた。



俺の膝に頭を載せると膝に伝わる熱。



すげぇ高い。



「この子どっかで…」


そうつぶやく母さんは、ずっとこいつの顔を見ていた。



「知り合い?」



「いやわかんない」



どっちだよ!と心の中でつっ込む。



改めて見るこの子顔は、異常と言うぐらい整っていて…言葉にすれば美少女だ。




苦しそうに顔を歪める。



熱のせいか火照った顔がとても可愛かった。



一瞬俺の胸が苦しくなる。



なんだ?俺まで風邪がうつった?なんだ?今のは?



まぁ平気か。今は、こいつが先だ。







家に着くと俺の隣の部屋に行き、母さんが着替えさせて寝かせた。




少し部屋を覗く。


いややましい気持ちがあるのではなく。


もう少しこの顔を見ていたかった。


だが疲れているのか俺のまぶたは、いつの間にか閉じていた。




《美希side》



うっすら目を開けると綺麗で広い部屋。


日差しが入ってとても心地よかった。



あぁー夢でも見てるのかな?



私死んじゃった?



隣を見るとそこで眠る綺麗な顔。



すごくカッコイイ。


この子も死んじゃ…いやこの子私が美夜輝さんの家をうろちょろしてる時声をかけてくれた人。



え?!待って!夢じゃない!



その時…


「んっ、ふぁぁ」


お、お、起きた!!!



「ん?おう。はよ。起きてたんだな。体調どうだ?少しは、良くなったか?無理すんなよ。」



何も言うことができずそのまま部屋を出ていってしまった。というか一方的にしゃべって行ってしまった。



数分してドアが空いてそこから綺麗な女の人が来てくれて話し始めた。





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