君と半分
途中で息切れして、立ち止まると、犬の丸々が尻尾をふっておいらを追い掛けてきた。
『なんや…ついて来たん?可愛い奴やなぁ…』
『ワン』
おいらはその夜、ひたすら丸々に新しい芸を教えてた。
だけど、何度も何度もやらせて、ついに丸々が初めてウー…と言って怒ったんだ。
『なんや…出来んのんか!』
丸々は叱ったおいらに向かってウーッと唸った。
おいらは丸々に芸を教えたらケンは笑ってくれるんじゃないかと思ってた。
それで出来ない丸々をつい怒ってしまった。
丸々に出会うまで犬は犬でしかないと思ってた。
違うんや、ちゃんと感情があるんや。
少し離れた場所から丸々が見てる。
『なんや…もう知らん』
おいらは布団に入って、目を閉じた。
明日から、丸々はおいらに尻尾をふって来てはくれないかもしれない。
明日からケンは笑ってくれないかもしれない。
ケンと丸々が重なって見えてしまう。
不思議だけど。
『なんや…ついて来たん?可愛い奴やなぁ…』
『ワン』
おいらはその夜、ひたすら丸々に新しい芸を教えてた。
だけど、何度も何度もやらせて、ついに丸々が初めてウー…と言って怒ったんだ。
『なんや…出来んのんか!』
丸々は叱ったおいらに向かってウーッと唸った。
おいらは丸々に芸を教えたらケンは笑ってくれるんじゃないかと思ってた。
それで出来ない丸々をつい怒ってしまった。
丸々に出会うまで犬は犬でしかないと思ってた。
違うんや、ちゃんと感情があるんや。
少し離れた場所から丸々が見てる。
『なんや…もう知らん』
おいらは布団に入って、目を閉じた。
明日から、丸々はおいらに尻尾をふって来てはくれないかもしれない。
明日からケンは笑ってくれないかもしれない。
ケンと丸々が重なって見えてしまう。
不思議だけど。