君と半分
今までおらはケンと半分ずつにしてきたのかな…?


畑仕事も、出来た野菜も、辛い事も、楽しい事も。


おらは大人になったらこの町を出たい。


いつまでもここにおるつもりはない。


だけど…、今は…
とりあえず今は、ケンの側でケンの片腕になろう。


ケンが困ったら手を差し延べられる場所にいよう。


まだ、じい様のように嫌な奴を助ける程大人にはなれん。

お腹が空いてるのに他人に食べもんを分けてやるような気分にもなれん。


おらが自らケンのそばにいる必要もないけど、今は一緒にいよう。


前みたいに遊ぶ事が出来なくて、辛い事が増えても。


…だけど考える。


いつまで…?






先の事は分からないけど、ケンが大切だから仕方がない。

側にいたいから仕方ない。



半分、気持ち半分だけじい様の言ってる意味が分かった気がした。




そしてじい様は犠牲だと言いながら犠牲だと思ってやってないんだと気付いた。

おらを育てる為に命を削ってると言っても、きっとじぃ様は笑うんだろな。


恨んでも嘆いても思い出を振り返って泣いても苦しいだけだけど、愛する事で救えるものが沢山ある。







君と半分しよう。
いつまでも、これからも。
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