君と半分
『この前の演劇の時も、じぃ様にお前は目立ちすぎるって言われたなぁ?』


『そうじゃ。
その時によって人には人の役割があるからの。


木が動いては落ち着いて話に集中できんのじゃ。


目立ち、華があるものが素晴らしい訳ではない。


本当に素晴らしいのは縁の下の力持ちだ。

それが出来て素晴らしい目立つ舞台が出来上がる』


『でもつまらんちゃ…』


『そうじゃな。つまらんな。確かに木は地味じゃ…。でも、演劇は一人でやる訳じゃないじゃろう?
人に笑って、泣いてもらって初めてやる意味があると思うがの。


誰も裏方をやらねば舞台は自己満足で終わる。


誰かが支えてくれるからこそ、人にも感動を与えられるようなものに仕上げられる。

人生も同じ事よ』


『…難しいのぉ。』


『生まれてから全てのモノに役目があるんじゃ。


植物もありすぎては困る。だから草食動物が居て、肉食動物がいる。

それをわし等は頂く。


例え生まれてすぐ食べられ死んでも、その短い一瞬の命がなければ世界は回らないのだ』
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