【短】雨宮さん家の大型犬
まさか、うら若き乙女と、幼馴染とは言え異性を同じ宿の下に住まわせることに、両親ともが満場一致で納得するとは…。
パパは絶対に反対すると思っていたのに、
「おぉ!静人くんなら安心だな。じゃあ、彩恋、早速静人に連絡しときなさい」
「……うん」
にっこりと微笑んで、リビングのテーブルに置いておいた私のスマホを手渡して来た。
そして、スマホで事情を話すとすぐに、静人は私の家にやって来て、両親に言ったんだ。
「あこちゃんのことは俺に任せて!」
その横顔が頼もしく見えて、ドキンと胸が高鳴ったのを今でも覚えてる。
「あこちゃん?どしたの?」
「んー…しーちゃんさぁ?なんで私のとこ来るの、拒否しなかったのかなーって」
小首を傾げて、そう聞くと…静人は若干食い気味で、
「拒否る訳ないじゃん!だって、あこちゃんと一緒にずーーーっといられるんだしっ」
と、目を輝かせてぎゅぎゅーっともう一度抱き締められた。
「はぁもぅ、あこちゃん好き過ぎる、俺しんどい…」
「しーちゃん、ほんと、苦しい…」
「ごめーん。でも!やっぱりもうちょっと…」
そう言って静人は、思う存分私を抱き締めた後から、お腹をキュルキュルと鳴らした。