熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~

「やめてよ……会いたくなる」

電話でしか話せない距離を久々にもどかしく思い、冗談めかしつつも本音を告げる。

『ああ。俺もだよ。……本当は毎日狂いそうなくらいだ。きみに会いたくて』

梗一の切実な声が鼓膜を震わせ、胸がツキンと痛くなった。

電話やメッセージで、いくら穏やかに愛を育める幸せを感じていたって、好きな人がそばにいないのはやっぱり苦しいのだと思い知らされる。

「次、会えるのはいつかしら……」

『兄さんがようやく明日、優良と会えることになったらしいんだ。……そこで二人が話して、例の結婚話の件が丸く収まればいいんだが』

「そっか……。それなら、先生を信じましょう」

『ああ。きっとうまくいくさ』

それから二、三他愛のない話をして、梗一との電話を終えた。

そして何気なくベッドに横になると、無意識にため息がこぼれる。



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