熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~
「さっきまで桔平さんと会ってたの。それで、ひと通りのことは聞いたわ」
ひと通り、というのがどの程度なのかわからず、私は「そうですか……」と相槌を打つしかできない。
すると、優良さんは申し訳なさそうに眉を下げ、優しげにこう言った。
「ごめんなさいね。梗一ったら節操がなくて」
「え……?」
「あなた、妊娠しているんですってね。今、何カ月なの?」
優良さんは私を気遣うような口調で尋ねるけれど、それがただの優しさからくるものではない気がして、怯えながら答える。
「二か月、です……」
「そう! よかった、それなら中絶しても問題ないわね」
優良さんがにっこり微笑んで放った言葉に、私は絶句してしまう。
今……優良さん、中絶って言った……? しかも〝問題ない〟って、どういう意味……?
呆然とする私に構わず、優良さんはソファに置いていたバッグから分厚く膨らんだ茶封筒を取り出すと、テーブルに置いた。そして、私の方へ封筒をスッと寄せる。