熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~
「ああ、おかげさまで。だいぶ汗をかいてしまったから、シャワーを浴びようと思うんだけど……詩織も付き合ってくれないか?」
「え?」
シャワーに付き合う……それって……。
「頼むよ。体調が悪かったとはいえ、ひと晩きみを抱けなかったせいで、おかしくなりそうなんだ」
冗談っぽく言いながらも、梗一の瞳には抑えきれない情欲が燃えるように揺らめいていた。
断る理由はなかった。彼の体を恋しがっていたのは、私も同じだったから。
*
バスルームに移動すると、私たちはスコールのような熱いシャワーを浴びながら抱き合った。
梗一はいつもより少し乱暴で、私の肩に歯型を残したり、痣が残るほど強い力で太腿をつかんでは、切なそうな吐息をこぼした。
彼もバカンスの終わりを思って苦悩しているのだろうか。それとも、さっきの電話が彼の心に影を落とすようなものだったのだろうか。
どちらにしろ、今の私たちにはそれらの問題を解決するよりも、ただ求め合い、互いの肌の熱を、重なり合う鼓動を確認し、安心することの方が大事だった。