熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~

「ああ、おかげさまで。だいぶ汗をかいてしまったから、シャワーを浴びようと思うんだけど……詩織も付き合ってくれないか?」

「え?」

シャワーに付き合う……それって……。

「頼むよ。体調が悪かったとはいえ、ひと晩きみを抱けなかったせいで、おかしくなりそうなんだ」

冗談っぽく言いながらも、梗一の瞳には抑えきれない情欲が燃えるように揺らめいていた。

断る理由はなかった。彼の体を恋しがっていたのは、私も同じだったから。





バスルームに移動すると、私たちはスコールのような熱いシャワーを浴びながら抱き合った。

梗一はいつもより少し乱暴で、私の肩に歯型を残したり、痣が残るほど強い力で太腿をつかんでは、切なそうな吐息をこぼした。

彼もバカンスの終わりを思って苦悩しているのだろうか。それとも、さっきの電話が彼の心に影を落とすようなものだったのだろうか。

どちらにしろ、今の私たちにはそれらの問題を解決するよりも、ただ求め合い、互いの肌の熱を、重なり合う鼓動を確認し、安心することの方が大事だった。



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