ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「リラの身体はもう大丈夫なの? 毒での影響は?」

「それは慎重に検査をさせた。もともと重篤な障害を起こすようなものではなかったこともあり、毒の抜けた今問題はないそうだ」

「そう、良かった。強い毒じゃなかったのね」

レオンは顔を険しくした。

「オリーヴィアはリラを害するつもりはなかったようだ。ただイリスへの脅すための行動だった」

「そう……そう言えば、オリーヴィア様はリラを自分の養女にするって言ってたいたわ。そうすればリラを守れると。その代わり……」

「イリスに身を退けと言ったのか?」

私の言葉を遮り、レオンが硬い声で言う。

「うん……」

「イリスはどう思ったんだ?」

「迷ったわ。私、リラの毒に少しも気付かなかったから。この先リラを守る自信がなくなった。ティオール王国よりも遠くに逃げても絶対安全って保障はないし、かと言って離れ離れ絵になる覚悟も出来なかったから」

「……今はどう思ってるんだ?」

レオンが言う。彼はどこか不安そうだった。

「レオンが追いかけて来てくれたとき、思ったの。レオンを信じようってまだ怖いけどきっと大丈夫だって。なにより私はレオンとリラと一緒に生きて行きたいから」

私の言葉にレオンは幸せそうに微笑んだ。

「ありがとう」

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