その瞳に私を写して
その笑顔を見てるだけで、作った甲斐あったな。

麻奈は、そう思った。


そして麻奈は、会社のオフィスで、これからを悩ます雑誌を受け取った。

「Mana,Mail reaches you.」

「Thank you, Cathy.」


送り主は、編集長からだった。

中身は、普通の雑誌。

よく目を通すようにと書いてあった。


麻奈がペラペラ雑誌をめくってみると、一つの写真が目に付いた。

すぐ分かった。

正也の撮った写真だと。


今まで何千枚、何億枚と見てきた、正也の写真だ。

涙が出てきた。

正也が日本にいるのか、NYにいるのか分からない。

今となっては、直接聞くことすらできない。


でも正也は、NYで仕事をしている。

正也に会いたい

そんな気持ちが、麻奈にはこみ上げてきた。


「Mana?」

思いつめた私に、キャシーが声をかけてくれた。

「私、自分勝手なのかな」
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