その瞳に私を写して
作り終えると今度は、テレビを見ながら、自分で作った夕食を食べる。


至って、普通の夕食だ。

勇平がこの家に来るまでは、彼は夕食をどうしていたのだろう。


窓の外を見ると、もう冬だ。

この時期、街一帯は、光であふれかえる。

クリスマスが近いのだ。

キリスト教徒でもない、彼氏もいない、麻奈にとっては、人生で初と言っていいくらいの、寂しいクリスマスが、待っているんだろう。


クリスマスも近くなった、久々の休日。

麻奈は意味もなく、街中を歩いていた。


ふと中を覗いたカフェで、温かいコーヒーでも飲もうかと、店の中に立ち寄った。

「カフェ・オ・レ」

なんとかお店の人に、麻奈の英語が通じたみたいで、カフェ・オ・レを座って飲む。


その時だ。

嫌なくらいに知っている男性が、店の中に入ってきた。

目があったその男性は、すぐコートで顔を覆ったが、正体はバレバレ。

「正也。」
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