その瞳に私を写して
NYは、秋になりいい季節になった。


近くの木を見て”ふと”思った。

麻奈が仕事をしていく上で必要な人。

もちろん、キャシー。

それは、否定しない。


だけど麻奈の中では、正也も必要だった。


仕事がうまくいかなかった時。

失敗して、上司に怒られた時。

初めて企画が通った時。

仕事に悩んだ時。

いつも正也は、近くにいて話を聞いてくれた。


だからこそ、ここまで来れたというに。

正也を失った今、麻奈は正直ここから先、どうすればいいのか、分からない。


「私……弱かったのかなぁ。」

今更ながら、そう呟いてみた。
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