潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
あのホームページのコーナーには、そういう思いが詰まっていると彼は言い、あれを初めて見た時、誰が作成を担当しているのか…と気になったと打ち明けた。


「山下さんにパーティーで会った時、最初にその話を訊いたんだ。彼は『よく知りませんけど、多分、営業二課の誰かでしょうね』と言っていた。だから、俺は研修を『二課でしたい』と希望し、潜入した。
オフィスに入って香純だと知った瞬間は、やっぱり…と思う気持ちと同時に、あれだけのものを仕上げるなんて、相当時間も多くかかっただろうと感心させられた。
そういう仕事に対して前向きな姿勢に心が惹かれた。俺はそんな香純と、一緒にこれからも居たいと思ってるよ。……でも、香純は?」


ちらっと目線を走らせながら訊ねてくる彼。
思わぬ熱烈な言葉にまた心臓が跳ね上がり、声を裏返しながらした返事は……


「わ、私も…尚行さんと常に一緒に居たい……です…」


仕事中以外で、という意味で言えば、車を路肩に停めた彼が抱き付いてきて、私はギャッ!と声を上げそうになったが__。


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