潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
どれだけ余裕があるんだ…と眉根をひそめるが、別に余裕なんてない。


「…ただ、相手がどんな人かが知りたくて会ってみたら、意外にも想像と違ってて面白かった…ってだけだ」


彼女のことを思い出しながらそう話すと、兄貴は眉を引き寄せる。


「面白い?一体どんな女と会ってるんだ?」


お前が興味を示すからには、まあ普通じゃないんだろうな…と失礼な言葉を発し、俺はそれについては眉間に皺を寄せただけで答えず、まあ出来るだけ社には顔を覗かせるようにするよ…と応じた。


「それでいいんだろ」


そうすれば社長としての兄貴の体面も成り立つだろ、と嫌味のように言い返すと、相手は鼻息を吹き出して、まあそうだ…と頷く。


そんな様子に呆れながらも着替えを済ませて部屋を出ると、自社の創立者でもある祖父の誕生日パーティー会場へと赴き、久し振りに顔を合わせることになった。



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