命令恋愛
☆☆☆

どうにか落ち着きを取り戻してトイレから出ると、香菜美が登校してきたところだった。


「あ、優奈おはよう」


香菜美がいつものように笑顔を浮かべるので、少しだけ安心した。


少なくても香菜美にはあの写真は見られていないのだから。


「おはよう。ねぇ、登校途中にチヒロを見なかった?」


「チヒロ? 見てないけど、どうしたの?」


「ちょっと探してて」


そう言いながら、あたしはチヒロのクラスを確認した。


チヒロの姿はまだない。


「なんか慌ててるね? 一緒に探そうか?」


1度C組に入って鞄を置いて来た香菜美が、そう声をかけてくれた。


ホームルーム開始までまだ時間がある。


「うん。お願いしていい?」


あたしはそう言い、香菜美と2人でチヒロを探し始めたのだった。
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