命令恋愛
「助けて香菜美!! どうなってるの!?」


叫ぶあたしの腕を後ろから恭介が掴んで引き寄せた。


「やめて!!」


「優奈。これからはずーっと一緒にいられるね。毎日毎日俺の命令を聞いて泣き叫ぶ優奈。想像するだけで、夢みたいだ」


恭介の恍惚とした表情に意識が遠のいて行きそうだ。


ここはゲームの中?


そんな……そんなことあるはずない!


これは夢だ!


悪い夢に決まってる!


「ハッピーエンドおめでとう」


窓の向こうから達治がそう言ってニヤリと笑顔を浮かべた時、窓の上に『スマホをシャットダウンしますか?』という文字が逆さまに浮かんで見えた。


ここでスマホの電源を落とされたら、あたしはどうなるの!?


一瞬にして全身が冷たくなった。


メマイがして、立っているのもやっとだ。


「やめて……あたしを1人にしないで! ここから出して!!」


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!


次の瞬間、達治の指が『はい』のボタンをタップし、唯一の窓が暗転したのだった……。





END




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