愛と命の代償(仮)
「…蓮くん」

びっくりした。

今でも覚えている耳触りの良いくすぐったい声。
付き合ってたころに呼ばれていた甘い声。

私のかつて大好きだった人。

「久しぶり…だな。もう5年は経ったか?」

「そうだね。元気だった?」

「ぼちぼちだよ…陽奈は?なんか暗そうだな。ここ、良く来るのか?」

「仕事が忙しすぎてね!コーヒー飲んで一服してたの!」

きゅっと胸が締め付けられる。
気づかれないように、平然を装って答える。
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