はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
レポートと一緒に配属先の希望も書いて出した。

各部門のチーフからの報告と私たちが書いたレポートを参考にして、決定するという。


「先輩に聞いたけど、希望が通る人は半分なんだって」

「半分かー、50%の確率よね」

「うん。でも、藍果もフロント希望にするかと思った。英語話せるんだから、ブライダルじゃもったいないよね?」

「んー、それも悩んだんだけどね」


留学経験のある私は、日常会話程度なら話せる。ホテルでの就職を目指していたから、役に立つと思って留学をしたようなものだったから、フロントかブライダルかでかなり悩んだ。

だけど、ブライダル業務の刺激的な新鮮さに心を奪われた。ホテルの通常業務とは離れているが、幸せのお手伝いをこれからも出来たらいいなと思った。

それと、支配人もよく顔を出していたというのも理由のひとつ。支配人と出来るだけ接点のあるところがいいという下心は誰にも言えないが。

しかしあの食事以来、彼とは挨拶しかしていない。いつも忙しそうにしているし、チーフと話すだけですぐ別のところに行ってしまうから。
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