俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
クリスタルの笑顔が、優しさが、明るさが、全てが、愛しいと思った。だから好きになったんだ。

しかし、目の前でロビンは「あはは!」と大声で笑いだす。

「何がおかしい?俺は真面目な話をしているんだが…」

俺が訊ねると、ロビンは「あんたには黙ってたんだけどね!」と言って全てを話した。

孤児院で暮らす最後の夜に、俺の酒に睡眠薬を盛って俺を襲ったこと、俺との恋を諦めきれなかった時にジャックが現れたこと、ジャックに、二人を傷つけて仲を引き裂けばリーバスを手に入れられるとアドバイスをもらったこと、クリスタルに「自分がリーバスの初めての女だ」と言って傷つけたこと……。

話を聞いていって、俺の胸の中に怒りが生まれていくのがわかった。だからあの時、自分の体や服がどこかおかしいと思ったのだ。だからあの時、クリスタルは傷ついていたのだ。

「お前!!自分が何をやったかわかっているのか!お前のやったことは犯罪だぞ!!それにジャックと会ってアドバイスをもらったなんて、お前は軍人としても人としても過ちを犯した!!」

俺が怒鳴りつけると、ロビンはしばらくの間固まる。まるで、ロビンだけ時が止まったように…。そして、その目から涙がこぼれ始めた。
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