きらきら光る
「陽咲。幸せになろう?私たち、幸せになろうよ。」
高倉の言葉に陽咲が高倉を見る。

「私が証明したように、先生も一緒に証明してくれてるじゃない。陽咲は天使みたいに私たちに幸せくれてる。ありがとう。ありがとう、陽咲。」
俺が抱き締める陽咲の右手を高倉がしゃがんで握る。
「こんなばかなことして。私怒ってるんだからね。私にとっても陽咲は大切なんだから。傷つけないでよ。」
「ん」
陽咲は不器用に声をだして頷く。高倉は陽咲の傷ついた右手を自分の頬につける。

「生きてるでしょ。」
「ん」
そういってふたりは泣きながら笑い合う。


いつの間にか夕暮れになりあたりは眩しいほどの紅色の夕日に包まれた。

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