きみの理想の相手


「……今日、仕事で嫌なことあって。詳しくは言えないんですけど、人を信用できないことが色々今日続いて、今ナイーブになってます」

 私は頬杖をつきながら、実さんに言う。

「そうなんだね。そういう時もあるから、気にしないで。ねぇ、尊君」

 私の隣に座っていた尊君という男性は、黒髪で目が細く、細身の体型をしていた。

「なんで、俺に聞くんですか。ねぇ、暦」

 尊という男性は、私の名を知っていた。
 
 私は目を丸くして、男性を見た。

「あの、私と会ったことあります?」

「会ったことあるも、暦の高校の時のクラスメイト。覚えてない? みんなから言われてたのは、優等生の尊君」

 優等生の尊君。

 なんか思い当たる節があるような。

 私は目の前にいる尊君をジッと見ながら、高校時代を思い出していた。

 確か、優等生の尊君と呼ばれていたのは高校2年の頃だったと思う。

 私は後ろの席で尊君は、右斜め前にいた。

 そこで彼は友達と話していたり、勉強を教えていたり、何でもできるのだ。

 私が見る限りいつも誰かといる人だった。

 だから、優等生の尊君。

 黒髪で目が細くて、細身な体型をしていた。

 そして、印象的だったのは何か持つ際に、小指を立てるのが癖。

「なんか持ってみて下さい」

「え?あ、うん」

 私がそう言ってから素直に返事をして、水が入っているコップを持ってくれた。

 すると、小指を立てていたのだ。

「尊君だ!」

 左隣にいた尊君をみて、私は指をさして大きい声で彼に言う。

「何で判断して、俺と分かったんだ」

 ムッとした表情で私に言ってくる。
 
 判断した理由は分かっているから、なおさら気にくわないのだろう。

「あはは、それより、久しぶりだね。高校以来か」

 私は話を逸らして、高校時代のことを口にする。

「だな。暦は、高校の時とあまり変わらないなあ」

 グビっと水を飲んでから、尊君は私に話しかけてきた。

「嘘っ。変わらない?だったら、尊君も相変わらず変わらないよ。ムキになる所とか重要なことはなにも言わない。ってか、あの約束覚えてる?」

「……なんだよ、それ」

「覚えてないの?」 

 尊君は首を傾げながら、何かを思い出していた。

「あー、ノリで言ったやつ?俺たち、お互い独身だったら、結婚するかって。会うまでという期限だっけ」

「それだよ。高校の頃、どっちがもてるかって競争したら、尊君がめっちゃモテたからね。
あの時は悔しかったんだから」

私は尊君をみながら、ムッとした表情で彼を見た。

「何それ、詳しく教えて!」

私たちが話している時、店長はお客様の対応をしていたが、お客様の対応を終えたのか私たちの話を聞いて、目を輝かせていた。
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