きみの理想の相手

「実さん。時間じゃないですか?テレビ」

 尊君は、喫茶店の真ん中に置いてあるテレビを指差していた。

「あっ。始まってしまう!」

 店長は尊君に言われると、すぐリモコンを持って、12時半に昼ドラが始まるチャンネルに変えていた。

「じゃあ、俺帰るから。実さん、またくるね」

 ちょうどの料金だったからか、お札を店長に渡して、去っていこうとした。

 店長は、おうと答えて、テレビに夢中になっていた。

 それは、私達以外のお客さんもそうで、テレビに釘付けであった。

「店長、私も仕事戻るね。はい、これ。ちょうどだから」

 私は尊君の後を追うように店長に声をかけて、お金を払った。

「はいよ。またきてね。理実ちゃん、無理にしないでね」
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