きみの理想の相手

 目を細めて店長は、私に笑顔を向けて言ってくれた。

「はい、またきます」

 バタバタと喫茶店を立ち去り、私は尊君に追いつくように駆け寄った。

「尊君、待ってよ」

 私は駆け寄り、前に行く尊君に追いついた。

「なに」

 尊君はズボンのポケットに両手を突っ込んで、後ろを振り向いて私に返事をした。

「話の続き」

 私は人差し指を尊君に向けてから言う。

「ああ、独身だったら、結婚するって」

 尊君は冷たくあしらうかのように、私に聞いてくる。 

「そう!どうなのよ。いるの?」

 食い気味に聞く私に尊君は呆れていた。

「いたら、どうするの」

 ため息をついてから、尊君は返事をする。

「そしたら、私の負けを認めないといけない。どうなの!」
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