あかいろのしずく
確か昨日は部屋着を着て寝たはず。あれ? それは一昨日のことだっけ。
昨日私、なにしてたんだっけ。それにどうして、こんな場所にいるんだろう。
「名前は?」
「ナナカです」
私が答える。
「そう、ナナカちゃん。私はサユリです。こっちはショウト」
ショウト、と紹介された少年は、「どうも」と小さく頭を下げた。彼は私の一つ年下の、一年生らしい。
「二人とも面識があるんですか?」
「面識も何も、ここにいる全員が同じ高校の生徒なのよ」
「全員......」
二人の他にも人がいるんだ。
体を起こして辺りを見てみる。そこには二人以外に、壁にもたれている男の人が一人、隅に座っている女の子が一人。
男の人はじっと、こちらを見つめていた。