あかいろのしずく

確か昨日は部屋着を着て寝たはず。あれ? それは一昨日のことだっけ。
昨日私、なにしてたんだっけ。それにどうして、こんな場所にいるんだろう。



「名前は?」

「ナナカです」



私が答える。



「そう、ナナカちゃん。私はサユリです。こっちはショウト」




ショウト、と紹介された少年は、「どうも」と小さく頭を下げた。彼は私の一つ年下の、一年生らしい。




「二人とも面識があるんですか?」

「面識も何も、ここにいる全員が同じ高校の生徒なのよ」

「全員......」



二人の他にも人がいるんだ。


体を起こして辺りを見てみる。そこには二人以外に、壁にもたれている男の人が一人、隅に座っている女の子が一人。


男の人はじっと、こちらを見つめていた。
< 187 / 754 >

この作品をシェア

pagetop