あかいろのしずく
あまりにも突然のことで驚いて、私の心臓は、バクバクと破裂しそうな鼓動を打っていた。息が止まるかと思った。


あんな声だったけ。あんな、声だったっけ。


真っすぐにこちらを見る瞳に捉えられ、恥ずかしいような驚いたようななんとも言えない気持ちになる私。



「な、なに?」




そう聞いて数秒後、私は先に目を逸らした。顔が見れないがこの選択は合っているはず。いや普通に無理だ。なんか、無理だ!


そして次に彼が言った一言は、




「呼んだだけ」




はっ!?



舌を出して、「いちいち反応するな」とでも言いたげな顔をした彼。


何を考えているんだろう、わけわかんない。
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