あかいろのしずく
その衝撃といったら、別に自分に直接何かがぶつかったとか当たったとかそういうわけじゃないのに、思い切り頭からつま先まで斧で真っ二つにされたみたいな。
右足のすぐ先まで血しぶきは飛んできて、その生徒は落下の衝撃を受けたあとも動いていた。五秒も経てば動かなくなったけれど。
それを見ていたら、なんだかみぞおちの辺りが気持ち悪くなって、気づいたら俺はその場で吐いていた。わけがわからなかった。
人が死んだということさえ理解できないのに、自分の体にも訳なく異変は起きた。