あかいろのしずく
その時の私はどうかしてたんだろうか。
先生に同情を誘うような話はできないと、思っていたんだろうか。

先生が純と大した関係じゃないと思っていたからこそ、そんな賭けができたんだろうか?






先生が話している途中から、私は泣きだした。

先生が純のことをどう思っていただとか、どんなことがあっただとか。私が純から離れて純がいなくなるまでの間に、沢山の出来事があったんだと知った。

先生は丁寧に、ひとつひとつの思い出を大切にするように話した。
その姿を見て、初めて素直に思ったんだ。


ああ、先生は、優しいんだな。
大切なひとを失った、悲しいひとなんだな、って。
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