仮想現実の世界から理想の女が現れた時
翌日。

暁里は加藤と富田が出勤するなり、
「暁里さん! ちょっと!」
と拉致されていった。

きっと昨日のことを問い詰められているに違いない。

10分経っても暁里が席に戻らないので、俺は田中に声を掛けた。

「田中、瀬名を呼んできてくれないか?
多分、給湯室辺りにいると思うんだが。」

「………はい。」

田中は、微妙な表情で立ち上がる。

あーあ、あれは絶対昨日のことを引きずってるな。



程なく暁里がパタパタと俺の席へやってきた。

こいつ、いつも走ってないか?

元気が良くて一生懸命なのは分かるが、かわいすぎだろ。

「何か、ご用でしたでしょうか?」

暁里は仕事モードで尋ねる。

「いや、何でもない。」

「え? 田中君に部長が呼んでるって
言われたんですけど。」

「ああ、呼んだだけ。」

「は?」

「なかなか席に戻ってこないから、昨日の事、
根掘り葉掘り聞かれて困ってるんじゃないか
と思って、呼んでみた。」

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