仮想現実の世界から理想の女が現れた時
俺は溜め込んだ洗濯物を洗い、ロボット掃除機のスイッチを押す。

縦横無尽に動き回る掃除機を眺めながら、暁里に思いを馳せる。

毎日、顔を合わせてるし、外回りだとずっと2人きりでの移動なのに、どうしてこんなに暁里に会いたいんだろう。

だけど、暁里だって、週末は忙しいかもしれない。

俺はためらいつつも昼まで待って、暁里に電話を掛ける。

『こんにちは!』

スマホの向こうから、暁里の明るい声が響く。

「こんにちは。」

俺はいつも通りの平静を装って挨拶する。

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