仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「じゃあ、スーパーに行ってもらってもいい
ですか?」

「了解。
どこのスーパー?」

「じゃあ、そこを右に曲がって…」

俺は、暁里の指示に従って車を走らせる。


「何にしようかなぁ。
部長は、好き嫌い、ありますか?」

「特にないけど、パクチーは苦手かな。」

「ふふっ
心配しなくても、そんなの使った料理なんて、
作った事もありませんよ。」

「暑いから、さっぱりしたものがいいな。」

「さっぱりっていうと、冷や奴とかそうめん
くらいしか思いつきませんけど。」

「ああ、じゃあ、そうめん!」

俺の一言で昼食はそうめんに決まった。
たかがそうめんでも、暁里に作ってもらうだけで、嬉しくなる。


カートの中に暁里が材料を入れていく。

ついでに、来週分の食材の買い置きもしておくと言って、暁里はどんどんカートに食材を入れる。

ちゃんと自炊してるんだ。

それだけでまた暁里を好きになる。


レジで精算をし、俺はカードを出す。

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