仮想現実の世界から理想の女が現れた時
暁里たちと一緒にダイニングテーブルに食事を運ぶと、着替えたお父さんも戻ってきた。

食事の準備ができると、今度は、席割りで揉める。

「私と悠貴さんが離れて向かい合わせって、
どう考えてもおかしいでしょ!?」

暁里が主張する。

くくっ
確かに。

「そうねぇ。」

お母さんも相槌を打つ。

「旭がここ! 晴があっち!
私と悠貴さんが並んで座るから。」

暁里が妹たちをお誕生日席に振り分けると、

「えぇ〜!?」

と不満が上がる。

「お父さんの横〜?」

と旭ちゃん。

「大好きなお父さんの横!
文句ないでしょ?」

「誰が大好きなのよ!?」

「旭は、お父さん、嫌いなの?
わぁ、お父さん、かわいそう。」

暁里がわざとらしく言ってのけると、

「分かったわよ!」

と旭ちゃんがしぶしぶ座る。

すると、晴ちゃんも大人しく座った。

< 176 / 227 >

この作品をシェア

pagetop