仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「ま、ほどほどにな。
周りに迷惑をかけない程度に。」

「はい。」

瀬名と並んで店まで歩く。

「遅れてすみません。」

瀬名が声を掛けると、

「お疲れ様です〜」

とみんなに歓迎された。

そして、

「暁里さんと部長、どうぞ。」

と席を勧められた。

俺たちは、加藤と富田の間に座らされ、2人にお酌をされる。

「乾杯」

俺がビールを飲む横で、瀬名もご機嫌でビールを呷る。

まったく。
こいつは自制する気なんて、さらさらないな。

「私、新人さんのとこ、挨拶に行ってくる。」

瀬名がビール瓶を持って立ち上がったので、

「じゃあ、俺も」

と、一緒に席を立った。

< 73 / 227 >

この作品をシェア

pagetop